Infinity recollection

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まよチキ!9 (MF文庫J)

まよチキ!9 (MF文庫J)

 

マサムネ編。

 

スバルに振られてしまったジローは、マサムネの家に厄介になることになるのだけれども、その扱いといったらペット並み……いや、以下だった。一ヶ月という期間をベランダに設置されたダンボールハウスで過すことになっているとは――。

 

しかし、寝る場所がダンボールハウスなだけで、普段はしっかりマサムネの家で過してもいる。朝はマサムネに叩き起こされて、マサムネの作った朝食を食べる。買い物にも付き合うし、洗濯物も洗ってもらう。坂町さんのお二人は家事をしてないのかってくらいマサムネが完璧に主婦をしていて、家族している。

 

同居している状況に加えて、女性恐怖症を克服する訓練でラブコメしているわけだから、ジローの境遇は悲観的でもない。

 

物語はそんなマサムネを中心に描かれるが、涼月奏が予想通りちょっかいを出してきます。スバルへ告白したことからぎこちない態度になってしまうジローと、何を考えているのか分からない奏。ジローと付き合っていると嘘をつくマサムネに、それを不安がるスバル。スバルが最近変だということをジローに問いかける奏。

 

キャラクターたちの様々な想いが混ざり合っていた。

 

特に、マサムネと奏は印象的。奏はマサムネのことを天敵としていたが、マサムネは実のところどう思っているのか。スバルとジローの関係が分からなくて、不安と焦燥に煽られる奏。これまで真意が見えてこなかった奏の内面が見え始めるので、物語に大きなうねりを感じさせる。

 

そして終盤のジローとスバル。お互いに相手のことを考えて雁字搦めになった結果なので、読んでいて辛かったですし、決定的だった。しかも、ここからマサムネの告白へと怒涛の勢いで繋がっていくのだから、もうどうしようもない。

 

これは続きがどうなるのか楽しみで仕方ない。面白かった。

 

 Presented by Minai.