嘘つき天使は死にました! (集英社スーパーダッシュ文庫) [感想]
第10回スーパーダッシュ小説新人賞 特別賞受賞作
小説家志望のネガティブな青年である夏彦は、ある日空から降ってきた天使に出会う。出来るだけ関わらないようにするも、天使は絡むのを止めてくれない。根負けした夏彦が付きまとう理由を問いただすと、どうやら夏彦は近々死ぬ運命にあるらしくて――。
ラストが良かった。
物語の流れからして天使ちゃんの運命と展開は誰もが分かっていたと思うのだけれど、それでも目頭が熱くなったし、来るものがあった。物語を通して夏彦が少しポジティブになった、変化しようとしているという力強さを感じた。
青春らしくもがいて上手くいかなくて諦められない、けどがむしゃらに前を向ける。そういうところは羨ましい。終盤は夏彦と天使を丁寧に描いたこともあって、物語が感動させることに集約していて凄く気持ちよく読めた。
ただ、うーん感覚が合わないなと感じることも多かった。特に序盤でのコミカルなやり取りだろうか。登場人物たちの性格や動きはいいのだが、呼吸するタイミングが合わないかのように文章を読んでいて違和感を感じてしまう場面が多く、それがノイズのように邪魔をした。
笑いがスベっているわけではないし、刺客云々にしてもテーマが最初から見えていた分だけテイストとしては嫌いじゃない。だから合わなかったとしか言えないし、単純に読み難かった。
お話としては面白いと思うし、よく出来ている。
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嘘つき天使は死にました! (嘘つき天使は死にました! シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)
- 作者: 葉巡明治,しらび
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/10/25
- メディア: 文庫
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