テンプテーション・クラウン 3 (集英社スーパーダッシュ文庫) [感想]
ラースさんの策謀が止まりません。
破滅の王冠でもある彼女だけれど、アキトを自分のモノにしようとルヴィと彩姫に意味深なことを言い放ってみたり、かと思ったら一歩引いて、不意に前に出てくる。ラースがアキトのことを考えながら戦うことからも、本当にアキトが好きなのだなというのは分かるけれど、どうにもアキト共々破滅したい欲望に駆られているようにも映ってしまう。
まだ、ラースの考える全貌は明らかになっていないが、このままだと怖い。アキトの為にはなるのだろうが、アキト的にはろくなことになる気はしないなー。黒い黒いラースさんですが、一家に一人いて欲しい気持ちは変わってませんよ。
さて、今回はやっとスタートラインに立った再出発の話でもある。というのも、これまで王冠たちに言い寄られても、好きな人がいることで受け流すだけだったアキトが、ついに先輩に告白します。
ルヴィと彩姫は複雑な気持ちを隠せないですし、そのせいで思い悩むのがまた乙女で可愛らしい。ラースはラースで一番現実的。目を逸らしていた絶対的な壁がグラついているのだから、ここを攻めない手はないのだが、周りの状況がそれを許してくれない。
特に彩姫は貧乏クジを引かされていました。アキトが心配だけどルクツァーの件や仕事もあるしと、渦巻くさまざまな感情を制御できないでいる。涙する背中が悲しすぎるます。また、ルクツァーはルクツァーで過去に彩姫となにやらあるらしく、これまたラブの香り。
誰もが誰かに恋してるから、物語り全体が切ない甘酸っぱい雰囲気に包まれているのです。そこが魅力なんだなと改めて。無慈悲なまでのベクトルがどこに向うのか、続きが気になります。面白かった。
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テンプテーション・クラウン 3 (テンプテーション・クラウンシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)
- 作者: 雪野静,ゆーげん
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/10/25
- メディア: 文庫
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