ソラの星 (メディアワークス文庫) [感想]
謎の少女を匿ったことから巻き起こる不思議な物語。
ソラは常識というものがない少女で、ワンルームだというのに主人公の隣で着替え始めたりする。その行動にどぎまぎしてしまうのは青春ですし、服装の選択がグッジョブ。まさか裸エプロンとは、恐れ入った。
とにかく序盤はソラが何者で誰から追われているのか分からないので、至って普通のボーイ・ミーツ・ガールなのだが、中盤からは一転してSFの色が強くなる。死を予知する猫の存在から、その猫がどうやって死を予知しているのかという非科学的なアプローチをソラが始めるので、思わず物語に引き込まれてしまう。
主人公の考えはまさに読み手の考えで、ソラが何を言っているのかと一歩引きつつも、放っておけない。猫の正体に近づけば近づくほどに、物語の深遠が見えてくる。猫と人類の関係性を考えていくと、その次が想像できて楽しい。
面白かった。終盤の薄ら寒さはSFとホラーを合わせたような、どこかオカルトチックな雰囲気でした。
Presented by Minai.
- 作者: 岩関昂道
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2012/01/25
- メディア: 文庫
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