アクセル・ワールド〈3〉夕闇の略奪者 (電撃文庫) [感想]
春がやってきて二年生に進級したハルユキたちの前に、奇妙な新入生が現れる。≪ブレイン・バースト≫のマッチングリストにも載らず、けれど現実では≪加速≫を巧みに使いこなしているように見受けられる。確証がないのでハルユキたちも手を出せずにいたら、向こうから仕掛けられて――。
チユリに≪ブレイン・バースト≫の存在がバレたことで、彼女も≪加速世界≫へと足を踏み入れることになるのだけれど、最後の引きは卑怯だ。まさかという怒涛の展開に、ただ驚くばかりで、続きを直ぐに読みたくなってしまう。
翼を奪取された鴉。
不運が重なったのは黒雪姫が修学旅行で不在だということ。戦力が落ちたところに反則的な力を持った≪ダスク・テイカー≫が戦いを吹っかけてくるし、リアルでもハルユキの立場が危うくなって、精神的に極限まで追い込まれていくのは見ていて辛い。
≪スクールカースト≫の再燃とばかりに教室では浮いてしまうし、信じてくれるのは親友たちだけ。人の弱みを握るという卑劣な手段に、抗う術はあるのか。ギリギリのところで五分に持ち込んで踏みとどまったはいいが、問題は解決しない。
崖に立たされたところで、思わぬ味方が現れて、新たな力を開花させてくれる展開は熱いですね。そんでもってやられ役だったアッシュが再登場、彼がまた良い奴なのだ。気さくで熱血で適度にバカで。知り合いの助力を受けて、このまま一発逆転かと思いきや、だったものだから……。
世の中上手くいかないものだ。崖から見事に突き落とされた。次で崖から這い上がることは出来るのか、翼を抱いて飛び立てるのか、楽しみ。
面白かった。
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- 作者: 川原礫
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