アクセル・ワールド〈4〉蒼空への飛翔 (電撃文庫) [感想]
チユリがダスク・テイカーの仲間になってしまうという凄い引きからだったので、どうなることやらと不安と興奮の板挟みにあっていたが、収まるところに収まった。
友との絆。
タクムとの絆を確かめ合って、乗り越えてきたハルユキだけれども、チユリに裏切られることになるのは流石に堪えたようだ。同じようにタクムも衝撃を受けていて、二人の心の傷が痛いほど伝わってきた。
何より信じたい友人チユリ。けれども、状況が状況で、実際に多くのバーストリンカーが狩られていく。信じたいけれど、信じる根拠が自分の気持ちだけなので、どうしていいのか分からない。二人の苦悩が痛々しいですし、チユリが何をしたいのか見えてこないので、読み手まで不安になってくる。
ハルユキたちを助けたいのだろうと予想する、もしくはブレインバーストを止めさせたいのか。どちらでもないのか。複雑で思考が回る。――それでも、ハルユキとタクムは信じるのだと決断する。それが出来るのは格好良いし熱い。
また、心意システムが猛威を振るうバトルも熱い。ゲームを超えた力を引き出す心意システム。ハルユキやタクムも使えるようになったけれど、足りない。反則的な強さと策略にはめられて絶体絶命に陥るハルユキと、彼を救うために颯爽と現れる黒雪姫は期待を裏切らない。
面白かった。チユリの目的も美しかったですし、中学生でこんな親友たちがいるなんて一生の親友間違いない。
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- 作者: 川原礫
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2013/02/09
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