棺姫のチャイカIV (富士見ファンタジア文庫) [感想]
チャイカが二人。
俄然面白くなってきた。ガズ皇帝の遺体を回収するために旅をしてきたが、これまでが順調すぎたので、言い方は悪いが極論、ただ遺体を回収するだけになっていた。けれど、チャイカの他にもう一人のチャイカが登場したことで、物語が一気に広がった。
チャイカやトールたちの他にも遺体を回収してる奴等がいるという記述はあったものの、まさかチャイカが二人とは。それも明確に見分けがつかないほどそっくり。トールたちといる方が白チャイカで、新しく登場したのが紅チャイカ。
紅チャイカは紅チャイカで従者を連れているし、遺体を集めて復讐することが目的だしで、色々と被っている。もう設定がどうなっているのかが気になって仕方ない。冷静に考えればクローンということなのだろうが、どう落としてくるのだろう。加えて、二人チャイカがいたということはもう二、三人いたとしてもおかしくは無いので、その辺りも気になるところ。その場合、遺体の奪い合いになるだろうからな……。
心地よい読み応え。
上手い、流石に話作りが上手いです。トールが戦う理由を改めて問うことで、白チャイカとの関係を再認識させる辺りだとか、紅チャイカが遺体を追い求める理由が復讐なので、白チャイカとの対比も興味深い。それに、フレドリカを物語に入れたり外したりするタイミングが自然で、強力すぎる力を上手くコントロールしている。
終始、安心して読めました。文章は流れるようで美しい。面白かった。
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- 作者: 榊一郎,なまにくATK
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2012/03/17
- メディア: 文庫
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