テンプテーション・クラウン 4 (集英社スーパーダッシュ文庫) [感想]
心が痛い。
これまで、ゼファーの力に悩んできたアキトだけれど、彩姫の協力もあって力を消失させることに成功します。相手が自分のことを好きなのは魅了の力のせいだから……、関係を先に踏み込めないでいたのが無くなるわけで、ラブコメに拍車がかかるのかと思いきや。
ゼファーの力は別の人間に落ちる。これがまた絵に描いたように悪人なので、能力を己の欲望のためだけに使おうとする。しかも、ゼファーとの親和性が高いからなのか、効果と強度がアキトのそれとは段違い。魅了とは可愛らしいがその実、絶対遵守の力と化していた。
ルビィにしても、彩姫にしても、従いたくはないが、身体がいうことを利かない。アキトにゼファーの力はないから好きという気持ちも薄れてはいるけれど、これまで過した時間だけは嘘ではないので、少なからず好意は持っているし、それが好きということなのかもしれない。
そんな気持ちを無視して、アキトを傷つけさせようとするので、彩姫もそうだけれど読み手も心が痛い。また、ルビィはルビィで、アキトが全てだったので、ゼファーの力を話してくれなかったアキトに不信感を募らせる。自分の気持ちがどういうことなのか混乱してしまうルビィが痛々しい。
ラースもラースで、読めない。台詞は黒いことを吐いているけれど、本当にそうなのか。裏があるのではないかと考えてしまうのですよね。
終盤に向ってとにかく沈んでいくので、バットエンドしか想像できないのは鬱になってきますね。いや暗い暗い。大丈夫なのだろうか、完結はするのだろうけれど、アキトどうするのと。展開を急ぎすぎている気がしないでもないのは残念だが、ハラハラと心を動かすことはよく出来ていると思います。出来ればハッピーに終わって欲しいところ。
面白かった。
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テンプテーション・クラウン 4 (テンプテーション・クラウンシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)
- 作者: 雪野静,ゆーげん
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/05/25
- メディア: 文庫
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