Infinity recollection

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アリス・イン・ゴシックランドII 怪盗紳士と大聖堂の秘法 (角川スニーカー文庫) [感想]

アリス・イン・ゴシックランドII  怪盗紳士と大聖堂の秘法 (角川スニーカー文庫)

 

やはり世界観が良い。十九世紀のロンドンということもあるけれど、そこで繰り広げられる冒険ミステリーに、誰もがどこかで聞き覚えのある小説や歴史上の有名人たちが入り乱れてのお話なのでワクワクさせてくれるのだ。

 

物語を引っ張っていく伏線と構成が美しい。

 

こんなにもあっさりと読ませてくれるのに中身は詰まっているし、そこには一切の無駄がない。計算されたように頭の中に入ってくる文章は読んでいて気持ちがいい。また、地の文での表現方法に加えて、特に登場人物たちの台詞が魅力的。

 

独特の言い回しだったり、皮肉、英国紳士らしい口説き文句と、キャラクターとしても魅せてくれる。その辺りは一巻から変わらず、楽しく読ませてくれる。

 

今回はジェレミーとイグレインがインチキ霊能師を追っていく中で、謎のフランス紳士ラウルが絡んでくる。このラウルが良い活躍をする。刑事と探偵のライバルとしては申し分ない相手だろう。また、ジェレミーの先生としてオックスフォード大学の教授モリアーティとイグレインの兄ホームズがとうとう登場するから熱い。

 

終盤は駆け足なまとめと冒険らしい時代背景無視の超兵器が登場したりするのだけれど、それもまた楽しさではある。殺人鬼ジルの扱いをどうするのか悩むジェレミーが、ジルと話したり助けたりしているのが印象的でした。

 

伏線も揃ってきたので、続きが楽しみです。面白かった。

 

 Presented by Minai.