ウェスタディアの双星(8) 最終決戦の章 (電撃文庫) [感想]
シリーズ完結。
三国同盟を実現することで、大国ルフェールの同盟国から脱却したウェスタディア。それをよしとしないルフェールが、ウェスタディアを潰すべく戦争を仕掛けてくる。
バドエルの男気が凄かった。兵力差があるために、戦略上は見捨てざるを得ない地域に対して、頑として助けに行くと譲らない。これに対してアルファーニは見捨てるべき、という姿勢をとる。
お互いに間違っていないので、読んでいて何とも歯がゆい。
戦略上、負けると分かっていてもバドエルは単騎で戦場に乗り込み、アルファーニもまた戦略上で無理にならない程度で根回しをする。そんな二人の関係性が見えるのも良かったし、それを手伝ってくれる周りの人間もまた魅力だった。
劣勢な戦力の中でも、これまで培ってきた繋がりを大切に小国の戦い、これからの小国の戦いを見せてくれたのは良かったし、今まで登場した将軍たちが一丸となって戦っている姿が美しかった。
けれども、終わり方はどうにも納得ができない。もう少し読みたいところで終ってしまうので、気持ちの整理がつかないというか。
物語で描くべきところは描いているのだけれど、もう少し読んでいたかったし、長めに丁寧に描いても良かったのではないと思わずにはいられない。
しかしながら、このシリーズには楽しませてもらいました。面白かった。次回作にも期待しています。
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