デート・ア・ライブ3 狂三キラー (富士見ファンタジア文庫) [感想]
――やられた。最後の最後で全ての展開を掻っ攫っていった。
まずは予想していなかったと言うべきだろうか、士道の過去には何かあるとは思っていたがそれは少しずつ明かされるというか、もっと話を進めてからだと思っていたので、不意打ちを食らった気分だ。この不意打ちが単純に不意打ちだけならいいけれど、計算された不意打ちだから唸らざるを得なかった。
実妹の真那が登場したことで、否応なしに琴里が最強妹決定戦に名乗りを上げ、士道を奪い合うラブコメを想像していただけに、気持ち良いくらい物語の引きに魅せられてしまった。確かに二人のどちらがより妹であるのかというやり取りはあるし、それに対して士道の反応も面白い。言わば期待していたものが読めたので、ここは納得したわけだ。
また、狂三という強烈なキャラクターが登場するが、彼女もデートをしているときは凄く可愛らしく、一旦残酷さをさらけ出したらとことん残酷になる明暗しっかりした個性を持っていてとても魅力的だ。ここでも期待していたものを出してくる辺り素晴らしい。
しかしながら、それら全てが引きへの伏線でしかない。これは、単純に凄い。あの数ページのために一巻使ったといっても過言ではないし、その大胆な構成には感嘆してしまう。
士道に何があったのか、あのたった数ページで読み手はどこまで想像させられたか。想像させられてしまった分だけ期待が広がるので、早く続きが読みたい。面白かった。
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デート・ア・ライブ3 狂三キラー (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 橘公司,つなこ
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2011/11/19
- メディア: 文庫
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