アンチリテラルの数秘術師 3 (電撃文庫) [感想]
虚数「i」。
北海道旅行に来たはずが、旅館の近くに飛行機が墜落して化け物まで現れる。事件に巻き込まれていく主人公たちと、どうしても災厄の数の力を借りるしかなかった適役の物語。どこまでも「i」をつき、いつまでもキミを「i」してる。
恋とは何なのだろう。
ヒロインである雪名は作中で数秘術が使えなくなってしまう。最初は原因が不明なのだけれども、物語が進むごとに己と向き合うことで使えない理由も判明する。誠一のことを大好きだけれど、それが恋とは分かっていない。自分が恋をしているのだと気付く雪名が可愛らしい。
適役にしても事件の真相が何とも切ない。たった一人のために、世界を犠牲にするとはよくあるけれども、今回はまさにそれで。愛した人が死に行く世界ならば、そんなものはいらない。他の全てを犠牲にしても、嘘をつくことになっても、愛した人だけは死なせない。
ガウスの迷宮が見せた一年はきっと彼女に届いたはずだ。
また、脇役にも楽しませてもらった。新たな執行官としてアンデレさんが登場するのだが、能力はありえないほど強く、しかしながら天然入っているという憎めないキャラクター。明津と言い合いをしているアンデレは面白かった。
味方サイドに敵サイドまで魅力的なキャラクターが溢れていて、物語とのバランスも素晴らしい。ヒロインが純粋に可愛らしいって良いですね。
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