侵略教師星人ユーマ (メディアワークス文庫) [感想]
いいなあ、こんな教師がいたら暑苦しいだろうけれども、楽しいだろなあ。生徒を教育することに対して熱心すぎるくらい熱心で、本人はそれが義務だというけれども、義務の範囲に収まらない理想の教師の姿だ。しかも、生徒と接するときに、変に距離を詰めないのがまた好印象を与える。
教師として生徒を注意するときは切り口が客観的であり、常に冷静な口調で諭すように接してくれるので素直に受け取れてしまうのです。ユーマという自称宇宙人が大好きになりました。
物語の中に見た懐かしい学校。
これは説明するのが難しいのだが、読んでいて心地よかったのは作中で描かれていく学生や学校が何とも懐かしいということだった。良い意味でアニメーションやライトノベルっぽくない、いやアニメ調なのはそうだが、キャラクターが某NHKが製作したようなアニメっぽさ。
世界観の中に溶け込むようにして生きているのが想像できるのだ。個性的で突拍子もないキャラクターで引っ張るのではなく、ちょっと不思議で気になる設定と人物がいて、ミステリアスでSFな雰囲気が自然と漂っているのが良い。
もっとも、後半戦は怒涛の展開なのだけれども。地球が大好きすぎて地球LOVEしてしまうユーマには適わないな。痛快。
ただ、三人称視点で描かれている物語であるのに、基準となる登場人物たちが細かく入れ替わっての三人称なので読み難さを感じたのは残念な部分でした。新人らしい荒削りな部分はあるものの、読んでいて気持ちが良く炭酸水のように清々しく青かった。
面白かった。
Presented by Minai.
- 作者: エドワード・スミス
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2012/02/25
- メディア: 文庫
- クリック: 10回
- この商品を含むブログ (16件) を見る