私とあなたの青春革命。 (電撃文庫) [感想]
広沢サカキさんの新作。
「アイドライジング!」はとても好きな作品ですので、本作も期待して読んだのだけれど……、微妙でした。同じくアイドルを扱っていて、こちらは王道の学園ラブコメとなっているのだけれど、展開に安定感があるわりには馴染めなかった。
生徒会と革命家との自由をかけた戦い。
アイドル科なる学科がある特殊な学園が舞台になっているだけに、学園内の組織がこれまた特殊。というのも、アイドルたちを守る名目で、生徒会が絶対的な権力をもっているのだ。生徒たちを校則で縛っている生徒会に対して、それを是としない麒麟堂奏子との対立が描かれる。主人公はこの対立の渦中にいつの間にやら巻き込まれるといった展開。
登場する女の子たちは可愛らしいのはもちろん。アイドルと仲良くなってしまう一般生徒という展開がこれまた王道で良い。奏子も年上ヒロインでありながら、仕草や言動は子供っぽいので、その差が面白い。
ただ、ドタバタ展開にどうにもついていけなかったというのと、断罪の場面が描き方として嫌悪感を覚えてしまったので、読み終わったときの後味が悪かった。革命をテーマに沿ってやっているのだろうが、どうにもそこは感覚が違ったらしい。
設定などは作りこまれていることが伺えるので、続刊して初めて全貌が明らかになるタイプの作品なのでしょうが、個人的には「アイドライジング!」を読みたいかな。
Presented by Minai.
- 作者: 広沢サカキ,CUTEG
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2012/07/10
- メディア: 文庫
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