魔法科高校の劣等生(7) 横浜騒乱編<下> (電撃文庫) [感想]
横浜事変。
全国高校生魔法学論文コンペティションの会場でなにかが起こると聞いていたので、またテロリストがやってくるのだろうと思っていたら、戦争が始まっていた。大陸からのテロリストは確かにやってくるが、その規模がもはや戦争。事変となっているので厳密には戦争ではないのだが、中身は戦争そのもの。
魔法科高校の生徒たちが、生き死にをかけて横浜の町をかけていく姿は壮絶。達也を筆頭に、本当に高校生なのかと疑うほど精神力の強い人間ばかりがそろっているので、改めて違和感に襲われると共に、この時代の未来は大丈夫なのかと不安になります。
十師族の面々活躍していたのも印象的。特に気に入っている一条の戦いが見れたのは嬉しい。殺し方は美しくもえげつないですね、相手の戦意が喪失していく様が目に浮かぶようです。彼が最前線で戦う姿は格好良いのですが、如何せん達也が最強過ぎるので、他作品なら主人公の立ち位置で十二分の活躍をしても霞んでしまうのは悲しい運命だ。これは全ての脇役に言えることですが……、彼ら彼女らにしても十二分に最強っぽいのですけれどね。中でも一条君には期待しているという話なのですが……、難しいのか。
達也の最強さはここにきて極まった感がある。これはもう誰も勝てないのではないかと思わされましたし、地球を破壊できるのではとも思わせる。あまりの強さにインフレどころの騒ぎじゃなくなっている。ここに至るまでの過程が面白いので、中盤以降が読みどころでしょうか。ドラマティックにあるべきところで事が起こるので、鳥肌が立ちました。
また、近接戦闘に特化して物語を描いていたことにも注目。特に刀剣の類をメインに戦いを描いていたのは興味深い。世界観も一気に拡張されたので、今後どうなっていくのか楽しみ。
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- 作者: 佐島勤,石田可奈
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
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