入間人間
これまた凄い作品を書いてきたな、けれど消化不良だなというのが正直なところだろうか。入間人間先生の作品は好きなのでよく読みますし、新刊を見つけると買ってしまうので今回もその例に漏れないわけだけれど、あまりにあっさりと終わったので少し拍子抜け…
夏って怖い。夏休みって怖い。学生の夏休みって怖い。大学生の夏休みなんて最上級に怖い。羨ましいほどに何もしない。ちょっと不思議が起こるけれど基本何もしない。何でこんなに何もしていないのにキラキラ輝いて見えるのか。ただただ、青春という日々を過…
虹子め、泣かせるんじゃないよ。年齢を重ねるごとに涙腺が弱くなってきている気がするけれど、それにしても良い涙を流させてくれる。ひやむぎはそこまで好きじゃないのに食べたくなったじゃないのよ。作中に流れる季節は夏だが、その茹だるような暑さを従え…
スキルシステムを実装しました。 藤が活躍する「ラットマン」、敷島が活躍する「ねずみおとこ」にルート分岐し、お互いのやり方が明確になった今回。あくまで王道に、犠牲者を極力少なく自分が怪我してもがむしゃらにクリアを目指す藤。あくまで非道に、効率…
こんなゲームはクソゲーだ。 永遠と10分後に怪獣に踏み潰されて死ぬ人生。生き返ってみれば、特にボーナスポイントがもらえるわけでもなく、チュートリアルはおろかルール説明すらない。もちろん、スキルや特殊能力なんてものはあるはずもなく、ただただ強く…
ゆるーく百合な作品ですか。そうですか……。 学校をサボタージュして体育館で駄弁るような日常。少し不真面目な女の子たちの日常を描いていくのだけれど、登場人物たちの背景はそこまで語られない。さぼっている理由は何となくで、明示されないですし、私生活…
本物の拳銃を販売してしまったことから巻き起こる群像劇。 探偵は拳銃を回収しようと奔走し、引き篭もり少女は社会復帰を頑張り、殺し屋は目標の暗殺へ。陶芸家は個展への出品を急ぎ、小学生の少女はランキングをつけ、高校生は片思い中。様々な人の様々な思…
短編集。 タイムスリップや平行世界理論など、時間やSFに関する短編を詰め込んでいる一冊。どの短編にしても著者も持ち味を全開にしたものばかり、独白の言葉選びからキャラクターが”らしさ”を帯びているけれど、最後に叙述トリックを持ってくる辺りは著者だ…
アクセラさん、何やってるんですか。 ――と読んだ人は一様に思ったことでしょう。口絵を見てもらえれば分かりますが、どこかの禁書に登場する人と似ています。もっとも、似ているだけで彼自身は性格からして似ても似つかない。 まず始めに言っておくと、異能…
SF(すこしふしぎ)版ということで、『電波女と青春男』一巻をリメイクするかのごとく、オリジナルの一巻とは少し違う別バージョンで展開される物語。 最終巻を読んでからSF版を読んだのだけれど、今までを振り返りつつも新鮮に読めた。物語の進み方はオリジ…
リトルスマキン。 青春女になったエリオの元に、どこかで見たようなリトルスマキンが現れる。昔のエリオのようにウチュージンだと言い張るリトルスマキンに、またも丹羽君は振り回される。 エリオはリトルスマキンにししょーと呼ばれ、宇宙飛行士になる特訓…
そんな嘘で大丈夫か? みーまー完結。終わりの終わりは始まりということで、作品がテーマとしていたことは変わっていないのだなと感慨深いものがありつつ、ハッピーエンドで締め括られたことにホッとしている。 物語としては、トリックになるほどねと納得し…
丹羽くんの妄想が暴走している短編集。 前川さんと付き合っている高校生活、リュウシさんと付き合っている大学生活、エリオとお互いに年老いての日常、近未来的なお話、この後の丹羽くん次第ではありえなくもない物語の数々が詰め込まれている。 基本的には…
ぐへぇ ある大学を舞台に描かれる短編集。特別なものが欲しいわけではなく、誰もが気軽に手にしているものが欲しい――友達がいない人たち、ぼっち達が友達を手に入れるために頑張る話。 友達とは何だろう。 作中で、友達とは自己愛という解説がされるのだけれ…
様々な想いが再度、出会うことになる話。 青春ポイントが浮上しまくる魅惑のボーナスステージが発動――その名は文化祭。今年のテーマは「引力」なのだが、参加者は全員が小指にカラフルな糸を結ばされ、それと同じ糸を巻いている人を発見し、ペアになることで…
小説バカたちの物語。 小説家を目指している主人公は、誰よりも小説家になりたいと思っている、努力もしている。けれど天才ではない。小説家になりたいけれど、その夢に苦悩する。そんなとき、大学の新歓コンパに全裸のバカがやってきて。 この全裸バカが主…