★★★★
第18回電撃小説大賞 大賞受賞作 近年好かれるタイプの大賞とは異なる大賞。文章の美しさやキャラクター性に安定感といった、最近の大賞傾向よりは、戦闘兵器に荒廃した世界など、設定や世界観が際立っていた。登場するキャラクターにしても、男の子が目立つ…
第13回えんため大賞 大賞受賞作 親に勘当され、人工学園島にやってきた主人公は、お金が無いことから怪しいくらい安い物件にホイホイつられて、幸せ荘に住むことになる。しかし、そこには龍ヶ嬢七々々という幽霊の先客がいた。激安だった理由を実感しつつ、…
短編集。 タイムスリップや平行世界理論など、時間やSFに関する短編を詰め込んでいる一冊。どの短編にしても著者も持ち味を全開にしたものばかり、独白の言葉選びからキャラクターが”らしさ”を帯びているけれど、最後に叙述トリックを持ってくる辺りは著者だ…
痛い、心が痛い。これが青春だ。 1999年、インターネットどころかケータイすらそれほど普及していなかった時代。片田舎の高校にある映画研究部は、映画研究部とは名ばかりの特撮ヒーローごっこに興じる「撮らない」映画研究部だった。そこに所属する佐々木と…
いや、ややこしい。ややこしくなってきた。 メフィウスがオルバとグールの二陣営に分断された内乱の様相を呈しているわけだが、当然、これを隣国は静観しているつもりもない。エンデ、ガーベラ共に、この期に乗じてという思いが強いのか不穏な動きが目立ち始…
「アンティーク」と呼ばれる特殊な能力を持った品が巻き起こす不思議なお話。道具としては力があるだけで、それを使う人間によって善にもなり悪にもなる。ミステリアスな空気と、ホラーを感じることができる雰囲気がたまらない。 第二章 自分 誰もが一度は考…
第1回講談社ラノベ文庫新人賞 優秀賞受賞作 汀宗高校に通う天童貞臣は、ある日、謎のテロ組織の襲撃からシェルターに非難したが、クラスメイトの愛沢恵后がシェルターにいないことを知り、彼女を助けるために単身シェルターを飛び出す。そんな彼の前に墜落し…
早くも二巻発売――いや、面白い。 オタク文化を異世界に広めるために奔走する慎一。日本のオタク文化を知るための学校を作り、そこで講師として貴族たちにオタク文化を教えていくわけだけれども、順調にオタク文化が広がっていくのが楽しい。 異世界なので人…
是光、男前が過ぎるでしょうよ……。 今回のヒロインは小学4年生の若木紫織子。ヒカルはこんな子供にまで手を出していたのかと、是光と同じく呆れてしまいますが、背景にはしっかりと理由がある。良い子では駄目だから、悪い子になるのだと言う彼女の生い立ち…
宝条軍学校の傭兵科に通う凪は、ある日、廃材の山に放置されていた少女の人型機械体を発見する。元来、機械マニアで、本当は機械工学科へ入学したかった凪は、彼女を持ち帰りさっそく修理するのだけれど――。 キャラクターの作り方がとにかく上手い。女の子た…
第7回MF文庫Jライトノベル新人賞 最優秀賞受賞作 元不良である真宮逢人は、バイト先で食い逃げした犯人を追いかける途中で、ポニーテールの美少女と出会う。彼女がハイキックの一撃で犯人を倒してしまい、思わぬ形で助けられた真宮だったが、それ以降、藤室…
民間軍事会社「D.O.M.S.」に就職することになった達也だったが、あるクライアントと模擬戦の結果で揉めたことにより、一時的に日本へ帰されることに。物語では、達也が本来いるべき場所である陣代高校が描かれていくと共に、新型ASが登場する。 ――ブレイズ・…
親と子の絆。 無駄がないというのが第一印象。<加速世界>で必要になってくるであろうポイント集めを圧縮して、既にシルバー・クロウが強くなった段階から始まるので非常に読みやすい。強くなる過程も大切ですが、二巻はまだそのときではないですし、この作…
不思議な力が宿った品物”アンティーク”にまつわる物語。 付喪堂骨董店~FAKE~には、世にも珍しい商品が並んでいるのだが、そのほとんどは何の力も持たない偽物。けれど、稀に本物が紛れ込んでくるからオーナーの目利きはいいのか悪いのか。 偶然を操作する…
現代遊戯部の一員となった岸嶺健吾は、生徒会長と変態教師とともに日夜ゲームの腕を磨いていた。しかし、JGBCのチーム戦に出場するには部員が一人足りない。そんな中で、校内にマイコントローラを持ち歩くほどのゲーム好きを見つけるのだった。 四人目のメン…
九校戦編。 新人戦が始まって、一年生が輝くときが来ましたが、そんな中で一際異質だったのはやはり達也だろう。エンジニアとしてCADの調整をする裏方に回りながら、ここまで注目を集めるとは。達也が組み込む革新的な術式の数々に毎回のように驚かされる先…
主人公が入学したのは全校生徒8000人という白樹台学園。外部受験したのに学校については何も知らなかった主人公は、学園で絶大な権力を持つ生徒会に目を付けられ、庶務という役職を与えられてしまう。個性的な生徒会の面々に振り回されながら、学内で起こる…
『僕は友達が少ない』公式アンソロジーノベル。 す、すごい、何だこの残念率は……。レーベルを超えて描かれている「はがない」の世界。アンソロのはずなのに、そのエピソードも安心の残念具合で本編にあってもおかしくない話が続く。そんな中、原作者が一番は…
こいつら、毎日を楽しんでるなー。 登場人物たちがサブカルチャーに対して理解がありすぎるといういか、愛にあふれているというか。読んでいてキャラクターの明るい感情が伝わってくる。今回は雫の所属するSSAの隊長、ギラが日本にやってきたことから、カズ…
――やられた。最後の最後で全ての展開を掻っ攫っていった。 まずは予想していなかったと言うべきだろうか、士道の過去には何かあるとは思っていたがそれは少しずつ明かされるというか、もっと話を進めてからだと思っていたので、不意打ちを食らった気分だ。こ…
八幡――、お前はそろそろ人を信じてみても良いんだよ? 部活をやるようになって少しは変わったかと思いきや、ぼっちの中のぼっちである八幡の背中には、これまでに増して寂しさと哀しさを感じずにはいられなくなってきた3巻。八幡を意識し始めた由比ヶ浜が、…
全国の魔法科高校が集まり競い合う競技大会、通称「九校戦」。第一高校も当然参加することになるが、遠征メンバーは基本的に一科生で構成される。そんな中に、CADの調整を行う技術スタッフとして唯一、二科生の司波達也も選ばれることに――。 面白くなってき…
容赦ない。主人公は常に命を懸けて全力で戦いますし、少女たちは血まみれになりながら戦います。作品の持つ硬質な雰囲気を壊さないように、光と闇を丁寧に描いてくれているので好感が持てる。 四賢人。 ここまで、ガストレアと人類の生き残り戦争を蓮太郎を…
ファントム・バレット編。 《死銃》の正体に迫る下巻。仮想世界での死が現実世界にも反映されるという事件が暴かれていくのだが、そのトリックに背筋が凍った。キャラクターの台詞から状況を想像して、シノンと同じく恐怖した。冷や汗が出る。 これ以上の犠…
郁の両親が職場に来るというのだから大変。戦闘職ということを隠している郁は、本当の仕事を両親に知られるわけにはいかないので、代わりに苦手な図書館業務をしている姿を見せようとするのだけれど……。堂上班と柴崎の連係プレーが素晴らしい。 とてもじゃな…
新入部員に迫る「ふうせんかずら」の影。ニセランダムということで文研部員たちの偽者が現れ、これまでの信頼関係を崩そうとしてくるのだけれど、いつもとはアプローチの仕方が違う。というのも、今回は「ふうせんかずら」が動いているわけではない。 宇和千…
下巻。 護堂さん何をやってらっしゃるんですか。「少年」の能力を使って加護を与えていくわけだけれど、これまではエリカだけにしか加護を与えたことがなかったのが、今回は女性キャラクター全員が対象になっているので、凄いことになっている。 いっそ清々…
ラースさんの策謀が止まりません。 破滅の王冠でもある彼女だけれど、アキトを自分のモノにしようとルヴィと彩姫に意味深なことを言い放ってみたり、かと思ったら一歩引いて、不意に前に出てくる。ラースがアキトのことを考えながら戦うことからも、本当にア…
第7回MF文庫Jライトノベル新人賞 優秀賞受賞作 朝起きたら、抱き枕と頭が融合していた。取ろうにも枕まで神経が通っているらしく、無理に取ることは出来ない。仕方なく奇抜な髪型ということで押し通して学校に登校しようとするが、幼馴染や親友に触れたら彼…
ガーリャ攻略戦。 失われた島ガーリャを取り戻すために、魔剣使いたちが力を合わせて戦う。前線基地で指揮をとるバルトゥータスの元を訪ねたロックたちは、エリシアの師匠ニーウと、フィルの師匠ナイジェルと再会を果たすが、ロックの呪いを聞いたバルトゥー…